目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
城北中学2021年第1回・算数は、かなり難化しました。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2021年 | 48 | 60 |
(城北中学ホームページより引用・算数100点満点)
前年度よりも17~18点下がりました。
(2)出題分野
「立体図形(切断)」「点の移動・進行グラフ」「ルール指定問題(ユークリッドの互除法)」を中心に、大問2の小問群では、「平面図形」「規則性」「速さ」「平均算」なども出題されています。
「平面図形」「立体図形(切断)」は、かなり難しく、「ルール指定問題」も、図形の構成としての意味合いが強く、総じて、図形感覚重視の出題となっています。
(3)難易度
序盤は標準的な問題が多いとはいえ、大問2(4)(6)はかなり難しく、難化を予想させる問題です。
さらに、大問3、4、5の(3)(4)あたりも、難問です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 速さ | B |
(2) | 平面図形 | C |
(3) | 和と差・平均算 | C |
(4) | 平面図形 | D |
(5) | 平面図形・移動 | C |
(6) | 規則性 | D |
大問3 | ||
(1)① | 立体図形 | B |
(1)② | 立体図形 | C |
(2) | 立体図形 | D |
(3) | 立体図形 | E |
大問4 | ||
(1) | 点の移動・進行グラフ | D |
(2) | 点の移動・進行グラフ | D |
(3) | 点の移動・進行グラフ | E |
大問5 | ||
(1) | ルール指定問題 | B |
(2) | ルール指定問題 | D |
(3) | ルール指定問題 | D |
(4) | ルール指定問題 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2(1)「速さ」
速さの和が150、差が20より、兄は(150+20)÷2=85m/分(答)
大問2(2)「平面図形」
白い共通部分をつけ加え、おうぎ形にして、差をとります。
アの中心角は、外角の定理より、105-45=60度
6×6×3.14×(60-45)÷360=4.71㎠(答)
大問2(3)「和と差・平均算」
合格者の人数:不合格者の人数=1:4
よって、合格者平均点=42+24÷4×5=72点(答)
大問2(4)「平面図形」
角EBC=①とします。
CB=CDより、角CDE=①。
ADとBCが平行なので、角ADB=①(錯角)
CA=CDなので、角CAD=角CDA=②。
三角形ADEに外角の定理を適用して、③=102度
よって、①=34度
三角形CABはCA=CBの二等辺三角形で、角ACB=②=68度であるから、ア+①=(180-68)÷2=56度
ア=56-34=22度(答)
大問2(5)「平面図形・移動」
回転はすべて180度。回転半径は4cm、3cm、5cm。
よって、
(3+4+5)×2×3.14÷2=37.68cm(答)
大問2(6)「規則性」
A君については、(1)(1,2)(1,2,3)……とグループ分け
B君については、(1)(2,1)(3,2,1)……とグループ分け
すると、1+2+3+……+11=66なので、66日で、第11グループが終了します。
残り4日。A君は1,2,3,4で4個(答)B君は12,11,10,9で9個(答)
大問3「立体図形」
(1)底辺6cm、高さ6cmなので、面積18㎠……➀
三角形MRSを共通底面と考えると、左右の三角すいの高さ合計は6cmなので、体積は18×6÷3=36㎤……➁
(2)三角すいPMTUを垂直に切り下した時の切断面を底面とすると、三角すいPMTUを断頭三角柱と見ることができます。
底面積は3×3÷2=4.5㎠、高さ平均は(3+0+0)÷3=1cm。
よって、体積=4.5×1=4.5㎤(答)
(3)立体アから、三角すいPMTU2個分を切り落とした部分が、求める立体です。
36-4.5×2=27㎤(答)
大問4「点の移動・進行グラフ」
(1)3秒後の面積が30㎠です。
よって、上底AP+下底BQ=15cmです。
よって、点Pと点Qの速さ合計は、毎秒5cmです。
さて、3秒後に向きを変えたのが、点Pか、点Qか?という問題についてです。
仮に点QがCに到着して、向きを変えたとすると、点Qの方が速いので、その後「上底+下底」は減少に転じ、図形ABQPの面積も減少し始めるはずです。
でも、グラフは明らかに、面積が増え続けていることを、示しています。
これは、矛盾。よって、3秒後には点PがDに到着したことがわかります。
6÷3=2より、点Pは毎秒2cm。
5ー2=3より、点Qは毎秒3cm
(答)
(2)アは、点QがCに到着した時。イは点PがAに戻ってきた時。ウは点QがBに戻ってきた時です。
(3)台形ABCDの面積が36㎠。よって、図形ABQPの面積が20㎠の時です。上底+下底が10cmのときを求めます。
大問5「ルール指定問題」
(1)62÷27=2あまり8、27÷8=3あまり3、8÷3=2あまり2、3÷2=1あまり1、2÷1=2あまり0
よって、1cmが2個、2cmが1個、3cmが2個、8cmが3個、27cmが2個、合計10個(答)
ちなみに、最小の正方形の1辺の長さが1cmということは、62と27の最大公約数が1であること(互いに素であること)を示しています。
(2)最も小さい正方形の1辺の長さは、1cmとは限りません。なぜならば、34と□が互いに素とは限らないからです。
そこで、最も小さい正方形の1辺の長さを➀として、逆算していくと、34cm=⑰となり、□=94(答)
(3)20cmの正方形が「横に4個並ぶ」「横に2個並ぶ」「横に1個並ぶ」の場合があり、「横に1個並ぶ」は、右端がさらに2通りに分かれます。
(4)20cmの正方形が「横に5個並ぶ」「横に3個並ぶ」がそれぞれ1通りずつ。「横に2個並ぶ」は、2通り。ここまでは簡単です。
さて、20cmの正方形が「横に1個並ぶ」場合、残りは右端に4個。この4個の並べ方は、(3)を利用して4通りとわかり、たしかに8通りです。
この、右端4個の並べ方は(3)の並べ方を(サイズを縮小して)向きを縦にしたものなので、これを利用して、表の空欄を埋めます。
100点満点の試験で、平均点が、前年度よりも17~18点下がるというのは、手ごたえとしては、相当な衝撃です。
試験中、わけが分からなくなってしまうかもしれません。
このような事態に備えるには、どうすればよいでしょうか?
レッツ算数教室では、当ホームページ内
「算数の成績を上げるには?>出題傾向の突然の変化に備えて」(タップ・クリックできます)
の中で、対策について、くわしくご説明しています。