城北中学の算数


傾向

城北中学の算数で、興味深い試みが始まりました。2018年第2回大問5です。

 

通常、算数の問題は、「問題文があり、それに答える」という形式です。正しい答えを、自分の好きな方法で、導きます。

 

これに対し、前述の問題では、2人の子供が、算数の問題を議論しながら解く様子が、描かれています。2人の会話には、穴があいていて、それを埋めなさい、という穴埋め問題です。

 

ところが、この2人。優秀なのか、そうでないのか・・・。

 

初めは、トンチンカンな議論を始めます。それに基づいて、答えを出し、「あれ~間違えちゃった」と言って解き直します。

 

すると突然、賢くなり、それまでの間違えを次々と解決し、たちまち正しい答えを導きます。

 

穴埋めの穴は、トンチンカンな議論の中にも、たくさん設けてあるので、それにつき合わなければなりません。これが大変。

 

ただでさえ難しい応用問題で、自分の好きなやり方で解くだけでも大変です。それを、間違った議論の流れに乗りながら、「そのような間違えをする人なら、頭の中はこうなっているのだろう・・・」と推測しながら、穴を埋めていきます。

 

なぜ、このような問題を出題したのでしょう?

 

これは、コミュニケーション、ディベート(議論)の能力を試す問題だと思います。

 

ある意味、「面接試験」です。

 

人と人とが話をする時、議論をする時には、相手が何を言おうとしているのかを考えながら、自分の考えを言わないと、議論がかみ合いません。

 

たとえ相手がトンチンカンなことを言ってきたと思っても、そこには、ある部分、合理的な考えが含まれていることが多い。ただ、前提条件や、常識、価値観が異なるために、全体として、自分にはトンチンカンに思われる、という場合が多いでしょう。

 

本問は、このような状況で、相手の立場に立ち、議論を進めていけるかどうかを、試しています。

 

2020年の大学入試改革によって、今後の入試では、議論、討論の能力も試されるようになる可能性があります。

 

また、入学試験とは関係なく、仕事や生活のあらゆる場面で、相手の考え方を理解する能力が重要になるでしょう。外国からの移民も、増えるかもしれないのですから。

 

そのような意味で、とても興味深い出題です。

 

さて。

 

城北中学の算数は、例年、大問5問で構成されています。

 

大問1は計算問題。大問2は、様々な分野からの小問群。大問3以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。

 

1、頻出分野について

 

「平面図形」「立体図形」「速さ」「場合の数」「規則性」「割合と比」「グラフ読み取り」など、オーソドックスに、まんべんなく出題されています。

 

その中で、「平面図形」「グラフ読み取り」は、城北らしい独創的な問題が目を引きます。

 

2、難易度について

 

全体的には、易しい問題から難しい問題まで、はば広く出題されます。

 

難問には、論理的、発想的に難しい問題と、手間がかかって大変な問題の2種類がありますが、城北の難問の多くは、前者です。

 

問題は、おおむね、易しいものから順に並んでいます。大問4、5、特に大問5は、難問が配置されています。

対策

過去問との関連性、第1回と第2回の関連性は、あまりありません。頻出分野はあっても、数字替えレベルの問題ではありません。

 

ですから、まずは、ヤマをはることなく、塾のテキストの定番問題を、すみずみまでマスターしましょう。

 

その上で、重点的に勉強すべき分野は、「平面図形」「グラフ読み取り」です。

 

1、「平面図形」について

 

中学受験・算数で「平面図形」の問題というと、「三角形の相似」が有名です。「ピラミッドの相似」「砂時計の相似」などとも言われています。

 

これに対し、城北では、「直角三角形の性質」「線対称移動(図形の折り返し)」「回転移動」「対称性」関係の出題が多くなっています。

 

これらは、やや手薄感がありますので、念入りに準備しましょう。

 

2、「グラフ読み取り」について

 

「進行グラフ」「水そうグラフ」の縦軸に注目しましょう。

 

通常は、「出発点からの距離」「水面の高さ」です。(絶対的な距離)

 

ところが、城北では、「A君とB君の距離」「二つの容器の水面の高さの差」などとなっています。(相対的な距離)

 

固定した地点からの距離、長さを表すのではなく、それぞれが動く2地点の距離を表しているので、やりにくくなっています。

 

城北はもちろん、他校も含め、類似の過去問で、よく慣れておきましょう。

 

3、コミュニケーション、ディベート問題について。

 

算数の問題を解くときに、自分の論理ではなく、相手の論理に乗っかって解くのは、かなり難しいことです。

 

よほど深く理解していないと、できません。

 

まして、相手の解き方に、間違い部分と正しい部分が混ざっているとなると、なおさらです。

 

日ごろから、解法暗記に走ることなく、理解に努めましょう。

 

また、解説を見て、自分と異なる解き方をしている時は、自分の解き方と比べるなどのトレーニングをしましょう。



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