市川 算数 対策 2022年


目次
「傾向」
1、概要
(1)入試結果
(2)出題分野
(3)難易度
2、各論(大問1~5)
「対策」

傾向(第1回)

1、概要

(1)入試結果

 

市川中学2022年第1回・算数は、超難化した昨年から一転、例年並みの難易度に戻りました。

 

  受験者平均点・全体 男子 女子
2022  55.0 56.8 51.6
2021 32.9 34.2 30.6
2020 51.7 54.3 47.1
2019 60.6 62.2 57.9

(市川中学ホームページより引用・算数100点満点)

 

(2)出題分野

 

「平面図形」「割合」「論理パズル」「ルール指定」を中心に出題されています。

 

「速さ」からの出題はなく、大問1(3)のニュートン算(仕事算・割合)が、速さの問題を兼ねているといえますが、配点は小さいです。

 

「論理パズル」は「場合分け」が必要。「ルール指定」は、「数の性質」の理解が背後にあります。

 

よって、典型的な出題分野・分類表ではとらえきれない、新傾向の出題に、大きく舵(かじ)を切りつつあると言えます。

 

(3)難易度

 

超難化した2021年に比べ、全体としては、かなり得点しやすく、以前の難易度に戻りました。

 

ただし、「論理パズル」「ルール指定」に難問が見られ、このあたり、新傾向の流れを汲(く)んでいます。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ
大問1    
(1) 計算 A
(2) マルイチ算 B
(3) ニュートン算 C
(4) 平面図形 C
大問2    
(1) 平面図形・回転移動 C
(2) 平面図形・回転移動 C
大問3    
(1) 割合・濃さ B
(2) 割合・濃さ D
(3) 割合・濃さ E
大問4    
論理パズル B
論理パズル C
論理パズル C
論理パズル E
論理パズル E
論理パズル E
論理パズル E

論理パズル E
大問5    

(1)1

ルール指定 A
(1)2 ルール指定 A
(2) ルール指定 D
(3) ルール指定 E

 

得点しやすい問題と難問とが、明確に色分けされ、他校であれば合否を分けることの多い「レベルD」の問題が少ない点が、特徴と言えます。

 

それでは、順に見ていきましょう。

2、各論(大問1~5)


大問1(1)「計算問題」

 

ウオーミングアップ問題です。


大問1(2)「マルイチ算」

 

A1個の値段を①とします。

 

①+(①+40)×2+(①×2-30)×3=2690

 

⑨=2700、①=300円(答)


大問1(3)「ニュートン算」

 

Aのみで9分かかるときと、Bのみで24分かかるときとで、新たに入れた水の体積には、

 

10×(24-9)=150L

 

の差があります。

 

この差が、最終的に排水した水の体積に、一致します。

 

B×24-(B+5)×9=150

 

B×15=195より、B=13

 

13×24-240=72L(答)


大問2「平面図形・回転移動」

 

(1)点A、点Dの回転の中心と半径を確認して、作図しましょう。

 

(2)正方形の1辺の長さが6cmのとき、正方形の対角線の長さは「ルート」になってしまいますが、「対角線×対角線」の値は

 

6×6×2=72㎠

 

となります。

 

また、1辺6cmの正三角形の面積は、

 

0.43×6×6=15.48㎠

 

となります。(面積比と相似の関係)

 

(72-36)×3.14×(1/4)×2=18×3.14

 

36×3.14×(1/12)×2=6×3.14

 

15.48+(18+6)×3.14=90.84㎠(答)


大問3「割合・濃さ」

 

(1)

 

(5%×2+8%×1+C%×1)÷(2+1+1)=7%

 

C=10%(答)

 

(2)

 

アを「50」とおくと、Bの食塩は「4」、Cの食塩は「5」。

 

差の「1」が1.5%にあたるので、100%にあたるのは「200/3」

 

「200/3」-「50」=「50/3」=100g

 

よって、「50」=300g(答)

 

(3)

 

8%-5%=3%、よって、

  • 100g+イg=③
  • 100g-イg=①

和差算より、イg=①=50g(答)


大問4「論理パズル」

 

C、F、Iは1ケタの整数なので、それらの和は3~27です。

 

よって、1の位が2になるのは、12、22(アの答え)

 

B、E、Hにも同じことが言えますが、1の位からのくり上がりが1または2より、

 

12-1=11、12-2=10、22-1=21、22-2=20(イの答え)

 

A、D、Gは、10の位からのくり上がりが1または2なので、

 

20-1=19、20-2=18(ウの答)

 

後半について

 

0~9まで、10個の整数のうち、9個を使う、すなわち、1個を使わないとすると、それらの和は36~45のいずれかになります。

 

これを、以下の条件から、しぼっていきます。

  • エの候補は12、22
  • オの候補は10、11、20、21
  • カの候補は18、19

仮に、エ=22とすると、オカを10、19に抑えても、合計が45をオーバーしてしまうので、ア=12に確定。

 

その時、仮にオ=21とすると、カがいずれでも、合計が45をオーバーしてしまうので、オ=11に確定。

 

よってカ=19に確定。

 

45-(12+11+19)=3より、使わない数は3に確定(キの答)

 

Aを7に固定すると、D、Gは4、8に決まります。(あとは、順番の入れ替えが2通り)

 

以下、いもづる式に決まり、下記の表のようになります。

 

A B C
D E F
G H I
 
7 2 1
4 9 5
8 0 6
       または
7 5 1
4 6 2
8 0 9

上のパターンは6×6×2=72通り

 

下のパターンは6×6×2=72通り

 

72+72=144通り(答)


大問5「ルール指定」

 

(1)問題文の指定通り、計算します。

 

(2)奇数は3倍しても奇数。それに2を加えても、奇数。

 

よって、決して10の倍数(偶数)にはなりません。

 

よって、1~100までの整数のうち、奇数の50個は、10で割る操作を1回も行いません。

 

また、1の位が4の整数は、3倍して2を加えると、1の位は再び4となり、決して10の倍数にはなりません。(4、14、24……94)

 

50+10=60個(答)

 

(3)(2)より、1の位が0、2、6、8であることが、必要条件です。

 

10の位は奇数(1、3、5、7、9)ならば大丈夫ですが、偶数の場合にも若干の例外があります。

 

正解は以下の24個

 

10 12 16 18
30  32  36 38
40   46 48
50 52 56 58
70 72 76 78
  82    
90 92 96 98

対策(第1回)

・「傾向」で述べた通り、得点しやすい問題と難問とが、明確に色分けできるので、得点しやすい問題を確実に取ることが大切です。

 

ミスをしない競争になっています。

 

・終盤の「論理パズル」「ルール指定」は、かなりの難問です。

 

これまでのところ、できなくても合否に影響はなかったかもしれません。

 

でも、これらは、大学入試改革に対応した「新たな枠組み」に基づく出題なので、見過ごすことのできない兆候です。

 

今後、塾はこれらの問題に対応するためのプログラムを用意するでしょう。

 

その結果、受験生のレベルは徐々に上がり、ある程度対応できるようになっていくはずです。

 

カギは、

  1. 場合分け能力(大問4)
  2. 規則性発見能力(大問5)

です。

 

レッツ算数教室では、この2点をふまえて、対策を行っています。



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