中央大学附属中学の算数は、例年、大問4~5問で、構成されています。
大問1は、計算問題を含む、様々な分野からの小問群。大問2以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
1、頻出分野について
大問1の小問では、「平面図形」の「角度」「面積」が、ここ数年の定番となっています。
特に、「角度」では、「折り返し」「二等分角」など、等しい角度に注目する問題が、よく出ています。
他には、「食塩水問題」などの「割合」、「仕事算」「相当算」「つるかめ算」「和差算」など、いわゆる「特殊算」が、出ています。
大問2以下の応用問題では、「平面図形」「速さ」「規則性」などが、特によく出題されています。
速さの問題では、「進行グラフ」の読み取り問題も、よく出ています。
2、難易度について
全体的に、標準的な問題から、かなり難しい問題まで、はば広く出題されています。
大問1の小問は、標準的な問題が多く、ここが最も確実な得点源です。
大問2以降は、徐々にレベルアップしていく傾向にあり、大問4は、かなりの難問の場合が多いです。
でも、2017年第1回のように、大問2(約束記号、指数関数、対数関数)、大問3(数列)が難しい年度もあります。
1、大問1の小問群は、中学受験・算数の定番問題が多いので、ここで確実に得点をかせげるように、準備しましょう。塾のテキストの基本問題をマスターすることが、合格への近道です。
2、大問2以降は、かなり難しい応用問題も見られます。
小問2問ないし3問に分かれていて、最後の小問が難しい傾向にあります。上手に捨てて、後に尾を引かないことが大切です。
3、過去問について
過去問で出題傾向を知ることは、とても大切です。ただし、中大附属の場合、過去問の類似問題が期待できる範囲は、かなり限られています。
大問1で出題される「角度」の問題は、過去問の検討が有効です。「折り返し」の問題で注意すべき点を、よく復習しておきましょう。
それ以外では、過去問を検討したからと言って、ただちに有利になるとは、言えません。
たとえば、「速さ」。大問2以降でも、たしかに、よく出題されます。
でも、同じ要領で解けるか?というと、必ずしも、そうではありません。
2017年第1回大問4は「進行グラフ」。2018年第1回大問3も「進行グラフ」。でも、縦軸の意味が異なります。
2017年は「絶対距離」。2018年は「相対距離」。2017年の過去問をマスターしたからといって、2018年が解けるとは限りません。
また、2017年第2回も「速さ」の応用問題ですが、「進行グラフ」は関係ありません。
さらに、2018年第2回大問5(2)は、「タクシーの速さ」を問う問題ですが、この問題は、速さの問題というより、「金額の組み合わせ」問題です。
というわけで、過去問から「速さ」の問題がよく出るという傾向はつかめますが、「速さ」の問題のうち、どれが出るかの手がかりは、つかみにくい、ということになります。
ですから、対策としては、「速さ」の問題について、ほどほどの難易度の問題でよいから、はば広く、様々なタイプの問題をマスターしておく、ということになります。
他の頻出分野についても、同様のことが言えます。