青学2019年算数は、「比」を使うと効率的に解ける問題が、数多く出題されました。
大問5、6、7、8、9、13です。
しかも、5~9は連続しているので、頭の中が「比、比、比…」となって、だんだん調子が良くなったのではないでしょうか。
他には、大問10、11が連続して「つるかめ算」、大問13,14が連続して「消去算」と、大きなテーマが連続しています。いずれも、「和と差に関する問題」として分類されています。
大問が1~14と羅列されているように見えますが、全体的に流れが感じられる出題構成になっています。
順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2「計算問題」
引き続き、ウオーミングアップ問題です。
大問3「計算問題」
途中に□がある計算問題です。
大問1、2に比べると、正答率は下がるはずです。
特に、□の前がーや÷の場合について、逆算の方法をしっかりマスターしておきましょう。
大問4「パズル」
まず、
という点について。
入試問題によっては、「ただし、異なる記号は、異なる数字を表します」という「ただし書き」がついていることがあります。
本問には、そのようなただし書きがありませんが、「1から9までの整数から7つを選んで、それぞれaからgとします」とあり、アルファベットはabcdefgの7種類ですから、数字とアルファベットは1:1対応(異なる記号は異なる数字を表す)とわかります。
次に解法。
c+d=aなので、aは3以上の整数です。(cdは、1,2または2,1)
a×a=b(bは1ケタの整数)なので、aは3以下の整数です。
よって、a=3。b=9。
c×e=fなので、cは1ではない。よって、c=2,d=1。
また、eは4以下。(なぜならば、5以上だと、fが2ケタの整数になってしまうから)
1,2,3は使われたから、e=4
よって、f=8、g=6
答え、e=4,f=8,g=6
大問5「比例」
牛乳パック:二酸化炭素削減量=50:23.4
68.5千t=68500t=68500000kg
これが50にあたるとき、23.4は
68500000÷50×23.4=32058000kg
また、二酸化炭素:杉=14:1
よって、32058000÷14=2289857.1…本
答え、229(万本分)
1t=1000kgです。あまり使わない単位なので、よく復習しておきましょう。
大問6「相当算」
姉に400円もらったあとの、弟の金額は、姉の残りの3/4(弟は、3にあたります)
他方、この弟の金額は6/5倍されます。この時、弟は、5にあたります。
よって、姉に400円もらったあとの弟の金額を3と5の最小公倍数⑮に設定します。
すると、妹の持っているお金は弟の持っているお金⑮の6/5倍=⑱より180円多く、姉⑳より20円少なくなりました。
すなわち、⑳-⑱=②が180+20=200円にあたります。
姉がもともと持っていたお金は、⑳にあたる2000円より、400+330=730円多いので、2730円(答え)
大問7「平面図形(面積)」
三角形ABCの面積を1とします。
三角形ADE=2×4=8
三角形BEF=3×5=15
三角形CDF=4×3=12
よって、三角形DEFの面積は8+15+12+1=36にあたります。
10×36=360㎠(答え)
三角形DEFの面積には、三角形ABCの面積も含まれているので、最後に1を加えるのを忘れないように、気をつけましょう。
大問8「立体図形(比)」
まず、底面積の比を求めます。そのためには、底面の相似比を求めます。
ア:イ:ウ=1:2:2×1.5=1:2:3
よって、面積比は1×1:2×2:3×3:=1:4:9
次に、高さの比を求めます。
ア:イ:ウ=1:1.5:1.5×1.5=1:1.5:2.25=4:6:9
よって、体積比は
ア:イ:ウ=1×4:4×6:9×9=4:24:81
81÷24=3あまり9
24-9=15…あふれた量
15÷4=3.75(答え)
相似比と面積比の関係は、よくおさえておきましょう。
大問9「速さと比」
距離が一定のとき、速さと時間は逆比になります。
(守くんの速さー行列の速さ):(行列の速さ)=27:9=3:1
行列の速さを1とすると、守くんの速さは4。
27分÷(1+4)=5分24秒(答え)
1.8kmという条件を使わなくても、解けました。
大問10「つるかめ算」
先に入館した人たちのうち、20人分は1人1000円で計算します。20000円。
63600-20000=43600円…残り
残り70-20=50人分は、1人1000円で計算する場合と、1人800円で計算する場合があります。
よって、つるかめ算。
(43600-800×50)÷(1000-800)=18人。
すなわち、遅刻した人たちは、18人。
70-18=52人(答え)
大問11「差集め算」「つるかめ算」
国語と算数の1人あたりの差は0.1点。
全体の差を求めます。
国語合計(点×人数の和を計算します)
1×2+2×5+3×5+4×10+5×11+3×A+4×B=122+3×A+4×B
算数合計
1×3+2×3+3×9+4×8+5×10+3×A+4×B=118+3×A+4×B
国語合計ー算数合計=4(全体の差)
よって、人数合計=4÷0.1=40人
ここまでが、差集め算。ここからは、つるかめ算。
算数の合計点は3.5×40=140
よって、3A+4B=140-118=22
まとめると、3点の人がA人、4点の人がB人、合計7人いて、点数合計が22点ということになります。
(22-3×7)÷(4-3)=1…4点の人数
7-1=6…3点の人数
答え、6,1
大問12「平面図形(角度)」
折り返しの定番問題です。授業でくわしく説明します。
大問13「比」
(1)
B×2=C×5より、B:C=5:2
B=5、C=2とすると、
A×2=B+Cより、A=3.5
すべて2倍して、A=7、B=10、C=4
答え、7:10:4
(2)
A×2=D×7より、D=2
これが400円にあたるので、A=1400円、B=2000円、C=800円
CとDを比べると、Dは半分。よって、Cには10個、Dには5個のまんじゅうが、Aには5個のどらやきが、入っています。
Bには23-5-10=8個のもなかが入っています。答え
大問14「パズル」
授業で説明します。
「傾向」でも述べたように、徹底的に「比」が出題されたので、「比」をマスターすることが、重要です。
とはいえ、比を使う解き方は、抽象的。一般的に、小学生は、具体的なことを考えるのは得意ですが、抽象的な思考は、苦手な傾向にあります。
ですから、5年生までに、比を使わない具体的な解き方を練習して、「手ざわり感覚」を身につけておくことを、おすすめします。
その上で、6年生になったら、比を使う解き方に慣れるとよいでしょう。
具体的な解き方をマスターしないうちに、比を使った抽象的な解き方を勉強すると、意味不明なまま暗記に走らざるを得なくなり、算数が苦手になってしまいますから、注意して下さい。
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