目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題範囲 |
(2)難易度 |
各論(大問1~6) |
「対策」 |
1、概要
慶應中等部2021年算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
(1)出題分野
「割合と比」「平面図形」「立体図形」「速さ」「場合の数」「規則性」と、広い範囲にわたり、まんべんなく出題されています。
小問単位で全20問ありますから、全体を網羅できます。
大問2、大問3とも、小問5問ずつで構成されていて、大問2は「割合」「比」を使う問題、大問3は「図形問題」なのですが、小問相互には、特に関係はありません。
(2)難易度
ほぼ、易しい順に並んでいます。
大問1(1)から大問3(5)までは、見事に易しい順。
大問3の(5)が計算の大変な問題で、直後の大問4(1)(2)、大問5(1)は、とても易しい問題。
ラスト3問は、難しい問題です。
ということは、大問3(5)でペースを乱されると大変なことになりますが、うまくスルーできると、合格が見えてきます。
ミスがないということを大前提として、大問4あたりが、合否を分けたのではないかと思われます。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDの順に、難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算 | A |
(2) | 計算(逆算) | A |
(3) | 規則性・カレンダー | B |
(4) | 割合・縮尺 | B |
大問2 | ||
(1) | 割合・食塩水 | B |
(2) | 割合・相当算 | B |
(3) | 割合・年齢算 | B |
(4) | 仕事算・つるかめ算 | B |
(5) | 時計算 | B |
大問3 | ||
(1) | 平面図形・相似 | C |
(2) | 平面図形・角度 | C |
(3) | 平面図形・面積 | C |
(4) | 平面図形・数列 | C |
(5) | 立体図形・回転体 | D |
大問4 | ||
(1) | 速さと比・進行グラフ | B |
(2) | 速さと比・進行グラフ | B |
大問5 | ||
(1) | ルール指定 | B |
(2) | ルール指定 | D |
大問6 | ||
(1) | 場合の数 | D |
(2) | 場合の数 | E |
大問4は、「かつての難問(捨て問)➡現在は定番問題」の典型例です。(くわしくは、当ホームページ内「慶應中等部の算数」で説明)
このような問題を、重要なポジションに配置するあたりが、中等部らしさです。
2、各論
大問1(1)~(4)
まずは、軽くウオーミングアップ問題。
大問2(1)~(5)
引き続き、軽くウオーミングアップ問題。
いずれも、5年生以下の基本問題。ここまで、満点が求められます。
大問3
(1)「平面図形・相似」
3つの三角形は、相似。2辺の長さがわかっている三角形PBCから、攻め込んでいきます。
(2)「平面図形・角度」
Oから、角xの頂点に向かって補助線を引くと、2つの二等辺三角形ができます。
それらの等しい角(底角)を●●○○とすると、●●○○=250度、●○=125度。
よって、x=125-110=15度(答え)
(3)平面図形・面積
正六角形を6個の小正三角形に分割し、小正三角形との底辺、高さの比を利用して、計算します。
(4)「平面図形・数列」
半径が、2cmまたは1cmずつ、「規則的に」小さくなっていきます。
よって、半径の和が20cmとなるように組み合わせると、計算が速く、正確に実行できます。
(5)「立体図形・回転体」
本問は、理論は簡単ですが、計算が大変です。
終盤にさしかかる頃ですし、残り時間と、残りの問題をはかりにかけながら、どれを解くか捨てるか、決めるべきでしょう。
大問3は、全問それなりに歯ごたえがあり、満点は難しかったかもしれません。
自分に合わない問題を上手にスルーできたか?気分を切り替えて、大問4へ臨めたか?
ここが勝負所です。
大問4「速さと比・進行グラフ」
向かい合う2地点から、2人が同時に出発し、往復する問題です。
2回目の出会いには、1回目の3倍の時間がかかります。
この問題が初めて出題されたときは、おそらく非常に難問だったはずですが、すっかり有名になった現在、中等部の受験生であれば、ほとんどの人が知っているはずです。
でも、大問3で、できが芳しくなかった人は、あせったまま大問4突入し、問題文も十分目に入らず、本問が超難問に見えてしまう、ということは、十分あり得ます。
このような所で、合否が決まる可能性が、高いです。
大問5「ルール指定」
「奇数ならば1を加える」という問題は、有名です。
「3倍して1加える」となると、どうなるでしょう?
奇数×3(奇数)は、3の倍数で、奇数。
これに3加えると、3の倍数で、偶数。すなわち、6の倍数。
でも、3ではなく、2を加えるので、6の倍数に2不足。
これを逆にたどるには、6の倍数に2不足のときは、2倍するか、1引いて3で割るか、2択となります。
ここがポイントです。
大問6「場合の数」
本問が、2021年度で最も難しい問題でした。
とはいえ、どこかの過去問で、同じような問題を勉強した人がいたかもしれません。
ポイントは2点。
です。
知っている人には楽な問題ですが、知らない人が多いと思われますから、できなくても合否に影響はなかったでしょう。
大問3(5)「立体図形・回転体」は、前年度の中等部過去問・大問3(4)の類似問題です。
「出たあ~」
と思い、絶対解けないといけない、と思った人が多かったでしょう。
でも、興奮したり、あせったりしていると、「正方形」という条件を読み落とし、図面ばかり必死でながめることになります。(「正方形」という条件を落とすと、解けません)
中等部では、数年間、同じような問題が続くこともあるのですが、必ずしもサービス問題ではなく、先入観ゆえに解けなくなることもあります。
しかも、ここであせると、次の基本問題が解けなくなります。
チャンスと思っても、興奮しすぎない冷静さを保ちましょう。
あとは、毎年同じことですが、定番問題をまんべんなく網羅すること、ミスしない工夫、速く解く工夫を、積み重ねることです。
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