筑波大附属中学の算数は、受験界で異色の存在です。
その特徴を挙げてみます。
まず、何と言っても、圧倒的な問題量(文字量、図形量)です。
通常の入試問題の3倍はあろうかと思います。
などが、ページ数を増やしています。
算数の選択式問題というのは、かなり珍しいです。
しかも、計算によって答えを求める、というタイプではありません。
たとえば、「立体の展開図として正しいものを選ぶ」など、算数的な思考力だけを取り出した問題です。
さらに、非常に短い時間内で、直観的判断を求められます。
「式と考え方を説明しなさい」という問題は、記述式の学校で、よく見かけます。
でも、これとは異なり、「統計グラフから読み取れる傾向を、言葉で説明する」といった問題が、出題されています。
これも、計算力や、解法パターンの知識とは、全く別の能力です。
以上をまとめると、筑波大附属の算数は、
を重視した、「知能テスト」であると言えるでしょう。
このように見てくると、筑波大附属の算数は、公立中高一貫校の適正検査とよく似ていることがわかります。
適性検査の過去問でトレーニングすることは、有効でしょう。
もっとも、中学受験・算数のオーソドックスな問題も、出題されています。
特に、大問1の小問群です。
一行問題風ですが、かなり高度な受験テクニックを含む問題も出題されています。
やはり、塾のテキストで、通常の難関校対策の勉強をする必要はあります。
さて、適性検査対策と、通常の難関校対策と、両方の勉強をした上で、本番にどう臨むか?という点が問題となります。
適性検査タイプの問題は、主に後半で出題されます。
ページ数が非常に多いわりに、見た目ほど時間はかからないのが特徴です。
これに対し、オーソドックスな算数の問題は、前半、特に大問1で出題されます。
文字数、ページ数が少ないわりに、解くのに時間がかかります。
大問1で大量の時間を使ってしまい、その後の圧倒的なページ数に気が遠くなる……という事態は、避けたいところです。
自分がどのようなタイプの問題を得意とするか、過去問を通じてよく把握しておき、適切な時間配分を心がけましょう。