等々力の算数は、例年、大問6問で構成されています。
大問1は、計算問題(計算の工夫)。大問2は、様々な単元の小問群。大問3以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
小問単位で数えると、全20問。これだけ数が多いと、出題分野は広範です。ほぼ全分野から、まんべんなく出題されます。
難易度は、コースによって若干異なります。S特選コースは、他に比べ、難しい問題も出題されます。ただし、全体的には、中~中の上レベルの問題が多いようです。
過去問との関連は、時々見られます。たとえば、
などは、みな同じテクニックを使います。ぜひ、マスターしておきたいところです。
また、S特選の最後の問題は、出題する先生方の深い数学的教養に基づく良問、難問です。(ケルビン十四面体、四色問題など)
まずは、塾のテキストで、定番問題について、幅広く勉強しましょう。
そして、あまりに難しい問題は、無理に勉強しなくてもよいと思われます。なぜなら、等々力の特徴として、入学時にはそれほど難度の高い問題を解けるよう求めてはいないからです。むしろ、小学生の間は、伸びしろを大切にしたいところです。
たとえば、2017年のS特待第1回の過去問について、見てみましょう。
難問や、手間のかかる煩問は大問2(5)、大問5(3)、大問6(3)の3問です。
20問中3問ですから、仮にできなくても、十分合格点に届きます。
その上で、大問2(5)は、できなくても良いという気楽な気持ちで、十分に時間をとって考えてみる価値があります。
この問題は、算数のセンスがつまった良問で、しかも、塾のテキストにはほとんど見かけないからです。
自分の頭で考え、伸びしろを広げるには、絶好の問題です。
また、大問6(3)ケルビン十四面体の問題(最終問題)は、問題文中に「紙工作で実際に作ってみると面白いと思うよ」とあります。
6年生では、いそがしくて時間が取れないかもしれませんが、5年生以下であれば、夏休み、冬休み等の課題にもってこいだと思います。
このようなことをきっかけに、算数の興味を刺激すると、将来伸びるでしょう。
等々力の最終問題は、解き方を覚えるようなものではありません。興味を刺激するための材料、モチベーションを上げるための材料を提供しています。