目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~10) |
「対策」 |
(1)入試結果
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2021年 | 45.2 | 55.1 |
(大妻中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「平面図形」「立体図形」「速さ」「割合」「規則性」「数の性質」など、オーソドックスな分野から幅広く出題されています。
本年度は、「場合の数」からの出題はありませんでした。
(3)難易度
序盤、中盤は、基本的な問題が並んでいます。
大問8から難度が上がり、大問9、10は、かなりの難問となっています。
大問10問のうち、小問に分かれているのは、大問1(小問群)と、大問6、大問10だけで、あとは、大問が単独で(小問に分かれず)出題されています。
このため、応用問題を、小問(1)(2)などの誘導、ヒントなしで解かざるを得ません。
見かけ以上に、受験生にとって負担となっています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 消去算 | B |
(4) | 割合・食塩水 | B |
大問2 | 速さ | B |
大問3 | 割合と比 | C |
大問4 | 割合と比 | C |
大問5 | 平面図形 | C |
大問6 | ||
(1) | 点の移動・規則性 | C |
(2) | 点の移動・規則性 | C |
大問7 | 数の性質・4進法 | C |
大問8 | 立体図形・比 | D |
大問9 | 規則性・消去算 | E |
大問10 | ||
(1) | 速さと比 | C |
(2) | 速さと比 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)(2)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問1(3)「消去算」
3つの整数をA>B>Cとします。
A+B=68、A+C=60、B+C=46
(A+B+C)×2=68+60+46より、A+B+C=87、A=87-46=41(答)
本年度、場合の数の出題はありませんでしたが、本問で2つずつ組み合わせる部分に、場合の数の要素が含まれています。
大問1(4)「割合・食塩水」
本問は、基本問題です。
大問2「速さ」
2種類の速さ、合計時間、合計距離がわかっています→つるかめ算です。
大問3「割合と比」
A×1/3=B×1/4=C×1/6より、A:B:C=3:4:6
合計13が15600円より、1は1200円。
3は3600円(答)
大問4「割合と比」
昨年の男子=[1]、女子=「1」とします。
となり、倍数算です。
大問5「平面図形」
半径の等しい2個の円が、互いの中心を通るように交わると、正三角形ができて、60度の角が現われます。
これと、直角二等辺三角形の45度を組み合わせて、求めます。
大問6「点の移動・規則性」
何秒後に、PとQがどこの点にいるかを、出発時の位置に戻るまで、すなわち、1周期分、書き出します。
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | |
P | A | F | D | B | G | E | C | A |
Q | C | F | B | E | A | D | G | C |
(1)表より、F(答)
(2)2021÷7=288あまり5
PはE、QはD(答)
大問7「数の性質・4進法」
通常の4進法に直すと、0→0、3→1、5→2、9→4です。
よって、5039→2013(4進法)
64×2+4×1+1×3=135番目(答)
大問8「立体図形・比」
「ア」の部分に3分かかっているので、仕切りAの高さを3とします。
次のスペースは、8-3=5分かかっていますが、このうち、「ア」と同じ高さになるのに3分かかっていますから、仕切りAの上の部分には、2分かかっています。
仕切りAより上の部分は、底面積が「ア」の2倍になっているので、2÷2=1より、仕切りBの高さは仕切りAより1高く、4。
よって、A:B=3:4
以下、同様。
大問9「規則性・消去算」
①と➁を比べる場合、18ページまでは、差がありません。
最後の2ページを「AB」で終わるか、「CB」で終わるかの差が3分(後者が長い)
つまり、CはAより1ページに3分多く時間がかかります。C=A+3(結論1)
①と③を比べます。
(A+B+C)×6+A+B=(A+B)×10+15
C=A+3を代入して整理すると、A+1=B(結論2)
C→A→B→C→……の順番だと、①とと比べて、18ページまでは同じ。
最後の2ページが、「AB」で終わるか「CA」で終わるかの違い。
結論1と結論2より、CはBより2分遅いから、2分遅く終わる(答)
大問10「速さと比」
タクシーの速さ:人が歩く速さ=9:1
(1)定番問題です。18÷(5+1)×5=15km(答)
(2)仮に、会社に着いても通り過ぎ、BがAに追いつくまで、進み続けるとします。
タクシーが16分で進む距離は12km
12÷(9-1)=1.5kmより、会社を1.5km通り過ぎた地点で追いつきます。
あとは、(1)と相似の関係にあるので、(18+1.5)×5/6=16.25kmの地点で降りればよい。
16.25÷45×60=21と2/3分(答)
大問9と大問10が特に難問でした。
大問9では「比べる技術」、大問10では「仮定して考える」という算数の発想法が使われています。
初見の問題を解くには、知識だけでなく、「発想法」を体得しているかどうかが、カギになります。
レッツ算数教室では、当ホームページ内
の中で、算数の発想法について、さらにくわしくご説明しています。