市川 算数 対策 2020年


目次
「傾向」
1、概要
(1)入試結果
(2)出題分野
(3)難易度
2、各論(大問1~5)
「対策」

傾向(第1回)

1、概要

(1)入試結果

 

市川中学2020年第1回・算数は、やや難化しました。

 

学校公表の受験者平均点は、100点満点中、51.7点でした。

 

(2)出題分野

 

「平面図形」「立体図形」「速さ」「比」「数の性質」など、オーソドックスな分野から出題されています。

 

その一方で、「約束記号」「ルール指定問題」など、出題者が決めたルールに基づいて、その場で考える問題が、重要な部分を占めています(大問2、大問5)

 

算数的読解力を試す問題の増加傾向が見られます。

 

(3)難易度

 

やや難化しました。

 

各大問の最後の小問は、かなりの難問となっています。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ
大問1    
(1)  計算問題 A
(2) 数の性質 B
(3) B
(4) 平面図形 D
(5) 回転体 E
大問2    
(1) 約束記号 B
(2) 約束記号 D
(3) 約束記号 E
大問3    
(1) 速さ C
(2) 速さ D
大問4    
(1) 立体図形 B
(2)① 立体図形 C
(2)② 立体図形 E
大問5    
(1) ルール指定問題 C
(2) ルール指定問題 E

 

それでは、順に見ていきましょう。

2、各論(大問1~5)

大問1

 

(1)「計算問題」

 

(2)「数の性質」

 

(3)「比」

 

ここまでは、ウオーミングアップ問題です。満点を目指しましょう。

 

(4)「平面図形」

 

BFをFの方へ延長して、CDの延長との交点をHとします。

 

三角形GBEと三角形GHCは相似で、相似比は5:12……①②

 

三角形HDFと三角形HCBは相似で、①から相似比3:8がわかります。

 

よって、AF:FD=5:3(答)

 

通常は、AF:FDがわかっていて、そこからBG:GFなどを求めるのですが、逆になっています。

 

補助線の引き方は同じですが、逆になると、難度が上がります。

 

(5)「回転体」

 

円すいと円すい台を合体させた立体が、上下にできます。

 

体積の求め方自体は、基本的ですが、計算量が多く、時間がかかります。


大問2「約束記号」

 

5を偶数乗して8で割ると、あまりは1

 

5を奇数乗して8で割ると、あまりは5

 

この規則性を見抜くために、(1)(2)が存在します。

 

さらに、5は何乗しても奇数なので、(3)は、要するに、

 

「5を奇数乗したものを8で割ると、あまりはいくつか?」

 

という問題になります。

 

5です(答)


大問3「速さ」

 

(1)は、定番問題です。

 

(2)は、ABが先に出発しているので、(1)とは勝手が違います。

 

一瞬、戸惑うかもしれません。

 

でも、「ACが出会ったときのABの差」が「ABが出発してからの時間」を表していることに変わりはありません。

 

そのように考えれば、(1)とほとんど同じ問題とも言えます。


大問4「立体図形」

 

(1)は、三角柱の両端に、円すいの半分が合体した図形になります。

 

(2)①は、円が直線上を移動する問題。

 

円が、長方形の内部を辺に沿って移動する問題と同じことです。

 

コーナーに通らない部分が残ってしまいます。(四角いお部屋を、丸く掃く問題)

 

(2)②は、(1)から考えたことを総動員して解きます。

 

三角柱と三角柱が重なる部分が難しいと思われますが、四角すいになります。(立体切断問題)


大問5「ルール指定問題」

 

(1)は、指定されたルール通りに操作するだけです。

 

それでも、けっこう難しいでしょう。

 

(1)で悪戦苦闘しながら、このルールは要するに何なのかを見抜きます。

  • 「両側が点いていれば、変更」
  • 「それ以外は、現状維持」

です。

 

(2)は、この規則をもとに考えます。

 

「何秒たっても変化しない」とは、すなわち、「○が一つ置きになっている部分が一か所もない」ということです。

 

(○が3連続も一つ置きに含むと考えます)

 

○が

  • 1個の場合
  • 2個の場合
  • 3個の場合
  • 4個の場合

で場合分けします。

 

5個以上の場合はありません。どうしても、1個置きの部分が生じてしまうからです。

対策(第1回)

定番問題がそのまま出題されている一方で、出題者の定めたルールに従って作業する「約束記号」「ルール指定問題」が、重要な部分を占めています。

 

対策の1つ目は、定番問題を確実に得点することです。

 

対策の2つ目は、出題者の定めたルールを、よりわかりやすい、直観的な表現方法に言い換えることです。

 

「要するに、何をしているのか?」

 

ということを、一言でまとめる練習が、対策として効果的です。

 

国語の文章要約みたいですが、それとは全く異なる能力です。

 

算数の意味を損なわずに、言い換える必要があるし、算数の意味を損なわない限り、言い回しが全く異なってもかまいません。

 

むしろ、出題者が正確を期して、複雑な言い回しをせざるを得ないところを、より直観的な言い回しに変更するのですから、見た目の言い回しは全く異なるのが自然でしょう。

 

そのような「言い換え能力」を身につけるには、規則性を見抜く練習と、場合分けの練習をすると、良いでしょう。



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