栄東中2019年A算数は、前年度よりも難化しました。
順に見ていきましょう。
大問1
(1)(2)「計算問題」
(3)「消去算」
定番問題です。
(A+B)+(A+C)+(B+C)=72+85+151
(A+B+C)×2=308
A+B+C=154
これをもとに、それぞれを求めていきます。
A=(A+B+C)-(B+C)=154-151=3
B=(A+B+C)-(A+C)=154-85=69
C=(A+B+C)-(A+B)=154-72=82
(4)「割合(食塩水)」
順に計算します。
(5)「数の性質(循環小数)」
0.3666……=0.333…+0.0333…=1/3+1/30=11/30
(6)「論理」
合計35票で、2位以内に入ればよい。
35÷3=11あまり2
11+1=12票(答え)
(7)「平面図形」
左上に6cmの直角二等辺三角形を作り、右下に3cmの直角二等辺三角形を作ります。
四すみの直角三角形を取り除くと、斜線部分を含む台形となります。
この台形は、面積と上底:下底=1:2がわかっているので、斜線部分の面積も求められます。
(8)「体積(回転体)」
半径6cm、高さ8cmの円すいから、二つの円すい台を引きます。
大問2「水そうグラフ」
(1)20×20×20÷320=25(答え)
(2)100:(160-100)=10:6。6cm(答え)。
(3)320÷20×16=256秒(答え)
大問3「平面図形」
(1)三角形DFEと三角形ABEは相似で、相似比は1:2。
よって、FE:EB=1:2。GE:EB=1:4(答え)
(2)三角形DFGと三角形JBGは相似で、相似比はFG:BG=1:5。
また、DH=DFだから、DH:JB=1:5
(3)三角形DBIがベンツ切りになっています。くわしくは、授業で説明します。
大問4「仕事算」
(1)50×30=1500……機械Aが作った個数。
(2640-1500)÷60=19分後(答え)
(2)遅れた6分間で、50×2×6=600個作った。
AAとABを比べると、1分間にABの方が、10個多く作れる。
600÷10=60分……ABで作った時間。
(50+60)×60=6600個(答え)
(3)どちらの作り方でも、最初の30分で差はない。
よって、その後について比べる。
A4分+A4分+B□分+B□分=400+120×□分……①
A4分+B4分+A□分+B□分+A2分+B2分=660+110×□分……②
①と②が等しいので、260=10×□
□=26。結局ABで30+4+26=60分作ったのと同じ。
110×60=6600個(答え)
大問5「規則性」
(1)(2)練習
(3)本番
奇数回目は、平方数になります。
となります。
なぜ、このような規則性になるのでしょうか?
秘密は辺AC上の点の個数にあります。
奇数回ごとに、頂点の間に1個ずつ新たな頂点が発生しています。
1回目を1+2個と考えると、3回目は1+2×2=5個。5回目は1+2×2×2=9個。7回目は1+2×2×2×2=17個。9回目は1+2×2×2×2×2=33個。
1から始まる奇数の和になるので、1+3+5+7+……+33=17×17=289
学校公表の受験者平均点は、100点満点で66.5点。
小問単位で全20問なので、14問できると受験者平均。
後半にかなりの難問があることを考えると、けっこう厳しいレベルです。
捨ててもやむを得ない問題は、大問1(7)、大問3(3)、大問4(3)、大問5(3)です。
だいたい、各大問の最後あたりが難しい、という、わかりやすい配置になっています。
逆に、各大問の前半は落とせません。
塾のテキストや、栄東の過去問で、しっかり準備しましょう。過去問は大変有効です。たくさんありますし。
さて、今後に役立ちそうな教訓が、大問5(3)に含まれています。
3回目は3×3=9、5回目は5×5=25とくると、7回目は7×7=49、9回目は9×9=81……とやりたくなるのが、人情というものです。
でも、7回目は9×9=81、9回目は17×17=289となるのでした。
「規則性は、どこまで調べれば、規則的と認定してよいのか?」という問題があります。
厳密には、高校で勉強する「数学的帰納法」などを使って証明しなければなりませんが、中学受験では、そこまで求められません。
だいたい、でいいことになっています。
でも、本問のように引っかかりやすいものもあるので、なるべく(直観的でよいから)、なぜ、そのような規則性が生じるのか、ふだんの勉強では、多少意識しておいた方がよいでしょう。
本番でも、規則性が生じる理由まで確認できれば最強ですが、こだわり過ぎると、時間不足になります。
ご参考までに、引っかかりやすい数列をご紹介しておきます。
数列1……1,2,4,7……
数列2……1,2,4,8……
数列1は、差が1,2,3……の等差数列。数列2は、差が1,2,4……の等比数列。
初めの3つ(4まで)だけでは、区別がつきません。
差を確認すると、引っかかる危険が多少は小さくなります。
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