目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)出題分野
「速さ」「平面図形と比」「立体図形」を中心に出題されています。
大問2の小問群では、「場合の数」「平均算」「食塩水」「消去算」が出題されています。
いずれも、オーソドックスな問題です。
(2)難易度
標準的な問題が多い中、大問3の「速さ」は、よく練られた難問です。
さらに、大問5(3)も、ミスしやすく、難問です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算問題 | B |
(4) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 場合の数 | B |
(2) | 和と差・平均算 | B |
(3) | 割合・食塩水 | B |
(4) | 和と差・消去算 | B |
大問3 | ||
(1) | 速さ | D |
(2) | 速さ | C |
(3) | 速さ | D |
大問4 | ||
(1) | 平面図形と比 | C |
(2) | 平面図形と比 | C |
(3) | 平面図形と比 | C |
大問5 | ||
(1) | 立体図形 | C |
(2) | 立体図形 | C |
(3) | 立体図形 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
(3)1.41×(634-357+123)
=1.41×400=564(答え)
(4)0.375=3/8です
大問2(1)「場合の数」
目の出方は6×6=36通りですが、1×6、6×1、2×3、3×2など、いずれも6になるものは、1個と数えます。
表を作って、36通りの確認をするのが安全でしょう。
大問2(2)「和と差・平均算」
A君の身長が8cm伸びて、B君の身長が6cm伸びると、ABの平均は(8+6)÷2=7cm伸びます。
よって、7-2=5cm(答)
大問2(3)「割合・食塩水」
食塩合計÷食塩水合計=濃さ
という公式にあてはめます。食塩水合計760gで、濃さ20%ですから、食塩合計は152gになります。
ここから、はじめの食塩水300gに含まれる食塩の重さは78gとわかり、濃さ26%です(答)
大問2(4)「和と差・消去算」
全部合計すると、Aが5個とBが5個で2250gです。
1個ずつなら450g、2個ずつなら900g
よって、A200g、B250g(答)
大問3「速さ」
(1)太郎君が次郎君に追いつくまで、30+18=40分かかっています。毎分10mずつ追いつくので、480m追いついたことになります。よって、ACは480m(答)
三郎と次郎が初めて出会ったのは28分後。このとき、太郎は次郎に280m追いつくので、太郎と次郎・三郎の距離は、480-280=200m
その後2分で太郎と三郎が出会うので、太郎の分速+三郎の分速=100m
100×30=3000m(AB)
よって、CB=3000-480=2520m(答)
太郎と三郎の分速の和が100m、差が20mなので、太郎は分速60m、三郎は分速40m、次郎は分速50m
これで、距離、速さのすべてが明らかになったので、あとは簡単な旅人算です。
大問4「平面図形と比」
(1)(2)は三角形の相似を使う基本問題です。
(3)は、定番問題ですが、やや複雑です。
ACとFCがBDと交わる点をG、Hとします。
ACとFCがEDと交わる点をI、Jとします。
網目部分GIJHは次の手順で求めます。
辺の長さの比を求めるときには、三角形の相似を使うこと、もちろんです。
大問5「立体図形」
(1)相似比3:2の円の面積比は9:4です。差の5が62.8㎡なので、4にあたるのは50.24㎡(答)
(2)三角形の相似より、1.2÷3×4=1.6m
4-1.6=2.4m(答)
(3)塀の影は、台形です。(おうぎ形ではありません)
よって、半径4mの円から、影(台形)を引きます。
台形は、頂角30度の二等辺三角形(等しい辺の長さは4m)の下半分(面積3/4倍)です。
中学受験・算数の基本的な知識を巧みに組み合わせた良問が並んでいます。
従って、対策としては、塾のテキストの定番問題をマスターすることが、最も近道です。
ただし、知識の組み合わせ方が巧みなので、「鉄則」や「公式」があてはまらない問題もあります。
たとえば、大問2(2)の「平均算」。
通常、平均算では、平均と人数から合計を求めますが、本問では、合計を求める必要はありません。(合計点は不定です)
また、大問5(3)では、台形の面積を求めますが、台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2の公式が使えません(ルートの計算になります)
「三角形の相似比・面積比」を利用して求めることになります。
このように、算数では、「鉄則」や「公式」があてはまらない、使えない問題もあるので、「○○の問題は、○○が鉄則」といった覚え方は危険です。
「鉄則」ではなく「とりあえずの入り方」という感覚がベストです。