目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「傾向 |
1、概要
(1)入試結果
栄光学園2020年・算数は、ここ数年の傾向通り、難化傾向を示しています。
学校公表の受験者平均点は、70点満点中、38.1点。合格者平均点は47.9点です。
(2)出題分野
「数の性質」「時計算」「平面図形と比」「ルール指定・論理パズル」から出題されています。
大問2、3、4は、「場合分けして調べる問題」と言っても良く、重量級の問題が並んでいます。
従来の栄光学園の問題のように、センスやひらめきだけでパッと解ける軽い問題は減り、コツコツ調べる系統の問題が大部分を占めています。
また、大問1「等差数列の和」、大問2「時計算」や、大問4「論理パズル」は、決め手となる部分が「数の性質」であり、影の主役は「数の性質」といえます。
(3)難易度
大問2(3)(4)、大問4(5)など、一部の問題が、超難問となっています。
それ以外の問題も大問前半は易しく、後半はかなりの難易度です。
2018年以来の難化傾向が、定着しつつあります。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEFの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 等差数列の和 | C |
(2) | 等差数列の和 | D |
(3) | 等差数列の和 | E |
大問2 | ||
(1) | 時計算 | D |
(2)① | 時計算 | C |
(2)② | 時計算 | D |
(3) | 時計算 | E |
(4) | 時計算 | E |
大問3 | ||
(1) | 平面図形と比・反射 | C |
(2) | 平面図形と比・反射 | D |
(3) | 平面図形と比・反射 | E |
(4) | 平面図形と比・反射 | E |
大問4 | ||
(1)① | 論理パズル | C |
(1)② | 論理パズル | C |
(2) | 論理パズル | D |
(3)① | 論理パズル | E |
(3)② | 論理パズル | E |
(4) | 論理パズル | E |
(5) | 論理パズル | F |
ABがありませんでした。
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「等差数列の和」
(1)は、残った数の個数と平均から、「和」が求まります。
(2)は、「ある数」がわかりませんが、「1からある数までの和」が600を超えることは確かです。
そこで、600を少し超えるところを探ると、1から34までの和が595.1から35までの和が630なので、30を取り除いたとわかります。
(3)は、分母の13から、残った数の個数が13の倍数であることがわかります。
よって、ある数は、13の倍数+1。
また、平均を2倍すれば、だいたい「ある数」になります。
そこで、66前後の13の倍数を探すと、65。
ある数は65+1=66
あとは、(1)と同じです。
この小問(3)が、ひらめきで軽く解ける、従来の栄光学園風の問題です。
大問2「時計算」
本問は、(1)(2)と(3)(4)で、性質が分かれます。
(1)(2)は、中学受験的に時刻を求め、その時の角度を考えても、解けます。(別解として、比を使っても解けます)
ところが、(3)(4)も同じ方法で解こうとすると、いつかは解けますが、とても制限時間内では解けず、しかも、おそらくは途中で計算ミスするでしょう。
なにしろ、相手は中途半端な分数です。
そこで、(3)(4)は、具体的な時刻を求めることなく、比と規則性を利用して、何度進むかだけを計算します。
しかも、その角度は360度の何倍か、という形で計算を止めます。(何倍かをチェックしておけば、最小値がどこかはわかります)
(3)(4)を解きながら、実は(1)(2)の「別解」がヒントになっていたのだ、と気がつくような問題です。
いや、気がつけば解けますが、気がつくのは大変です。
合格者平均点から推測すると、多くの合格者は、(3)(4)を後回しにして、結局、時間切れ終了だったものと思われます。
大問3「平面図形と比」
本問が、本年度唯一、定番と言ってよい問題だったでしょう。
ただ、通常は正方形のマス目であるところ、本問は蜂の巣状の正六角形なので、同じ点の記号が、反射する辺によって、変わります。ここが、間違えやすい点です。
そこをクリヤーすれば、あとは三角形の相似で普通に解けます。
大問4「論理パズル」
本問のポイントは、「3で割ったあまり」です。
あるマス目が、たて、横それぞれのボタンで、合計何回表示が変わったか集計し、その合計を3で割って、あまりが0なら、○が表示され、あまり1なら△、2なら×となります。
つまり、ボタンを押す「回数」だけが問題で、「順番」は関係ありません。
それならば、先にABCDを押した回数を考え、後でEFGHを押した回数を考えてもOKです。
しかも、押した回数は、その回数を3で割ったときのあまりで考えれば十分で、早い話、0、1、2のどれかに限定して大丈夫です。
さらに、ABCDを押し終わったときに決まった「横の関係」は、その後、EFGHを何回押しても、EFGHそれぞれの行の内部では、変わりません。
(4)までは、ほどほどの難易度で、栄光学園の受験生ならば解けるでしょうが、(5)を時間内に確信を持って解き切るのは、ふつうは困難でしょう。
2018年度以来の難化傾向は、定着しつつあるようです。
年度によって多少ばらつきがあり、2019年度はやや易しく感じられましたが、本年度の大問2(3)(4)と、大問4(5)は、中学入試問題としては、超難問に属するでしょう。
確かに、受験者平均点や、合格者平均点がほとんど同じならば、難易度は変わらない、という見方もできます。
でも、栄光学園の受験生のレベルは、毎年同じではありません。
しかも、同じ偏差値70の受験生でも、塾の対策が進めば、実力は以前の偏差値70よりもレベルアップしています。
今年の結果をふまえて、対策しなければ、置いて行かれます。
さて、本年度の難しさの内容は、
の2点です。
たとえば、整数の性質については、次のような問題を考えてみましょう。
正七角形の頂点を時計周りに2つおきに進んでいきます。(すなわち、3つごとに止まる、とも表現できます)
各頂点に、0~6までの番号をつけます。
0からスタートすると、3、6、2、5、1、4、0と進みます。
0に戻ってくるまでに、すべての頂点に1回ずつ止まります。
なぜでしょうか?(偶然ではありません。3の倍数を7で割ったあまりに注目してみましょう。)
これが、本年度大問2の「時計算」(3)(4)の本質です。
本問は、実質的には「数の性質」の問題です。
この性質を使う問題は、今後くり返される可能性が十分あります。
あまりに注目する点では、大問4とも、共通する部分があります。
よく準備しておきましょう。
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