目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
1、概要
(1)入試結果
市川2021年度第1回・算数は、急激に難化しました。
学校公表の受験者平均点は、100点満点中、32.9点。
例年に比べ、25点~30点のマイナスとなります。
大問1~5のうち、「大問1以外、ほぼ全滅」という受験生が、続出したのではないでしょうか?
(2)出題分野
主に「速さ」「平面図形」「数の性質」「ルール指定・長文問題」から出題されています。
あとは、大問1の小問群で、「計算」「倍数算」「規則性・仕事算」なども出題されています。
大問5の長文問題は、近年の中学入試問題に見られるトレンドですが、ここまで長いものは、珍しいでしょう。
(3)難易度
突然、難化しました。
後半(大問3(3)以降)は、全問が難問で、特に大問4(2)以降は、正答率が10%未満ではないかと推測されます。
大問4は、問題文が「短すぎて」、何がテーマになっているのか、なかなかつかめません。
大問5は、問題文が「長すぎて」、何がテーマになっているのか、なかなかつかめません。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEFの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 倍数算 | C |
(3) | 仕事算・規則性 | C |
(4) | 平面図形 | D |
大問2 | ||
(1) | 平面図形・速さ | C |
(2) | 平面図形・速さ | D |
(3) | 立体図形 | E |
大問3 | ||
(1) | 作図 | C |
(2) | 平面図形・面積 | C |
(3) | 平面図形・面積 | E |
大問4 | ||
(1) | 数の性質 | C |
(2) | 数の性質 | E |
(3) | 数の性質 | E |
大問5 | ||
(1) | ルール指定・長文 | E |
(2) | ルール指定・長文 | F |
(3) | ルール指定・長文 | F |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~5)
大問1
(1)「計算問題」
本年度、貴重な得点源です。
(2)「倍数算」
変数が3つの倍数算ですが、バレー=テニス×5によって、実質2つの倍数算になります。
(3)「規則性・仕事算」
ABCの1日あたりの仕事量の比は、すぐ求まります。
あとは、(1+2)(2+1)(3+1)の最小公倍数12日を周期として計算します。
(4)「平面図形」
三角形CDGも正三角形。
よって、ABとDEは平行。
よって、角ADE=角BAD=40度(錯角)
「あ」と「い」の和は、180度ー角EAFなので、角EAFを求めます。
二等辺三角形DEAは、角Dが40度なので、角DAE=70度
角DAC=60度ー40度=20度
よって、角FAE=70ー20=50度
あ+い=180ー50=130度(答え)
大問2「平面・立体図形・速さ」
太郎君の位置とバスA、Bの角の点を結び、三角形の相似を利用して解きます。
(1)では、「完全に隠れるとき」「完全に見えるとき」それぞれ、バスのどの点を結べばよいか、考えます。
(2)では、バスBの左下の点と太郎君を結ぶ線が、下から2本目の点線と交わる点をシャドー(影)とします。
(3)は、バスABそれぞれの頂点の影が、壁のどこに映るかチェックします。
かなり手間がかかります。
大問3「作図・平面図形」
対角線ACも、点Aを中心に90度回転することに気がつけば、(1)(2)は解決です。
(3)は、線分BD上の点のうち、点Aに最も近い点が、最も内側を通ることから、求めます。
大問4「数の性質」
(1)は、難しい問題ですが、類似問題を解いたことがあるかと思われます。
(2)(3)は、問題文が何を意味しているか、(形式的にはわかっても)実質的には全く意味不明の受験生が多かったと思われます。
あまりを無視すると、要するに
2021÷□=商
□と商は「反比例」の関係
となります。縦軸が「商」、横軸が「□」の反比例のグラフを思い浮かべます。
そして、□が1大きくなったとき、「商」が1小さくなるときは、どのようなときか、考えます。
右へ1進み、下へ1進む
右下がり斜め45度
高校数学で言うと、接線の傾きがマイナス1
これは、反比例のグラフのちょうど真ん中、線対称の部分です。
縦軸と横軸が同じ数。
よって、□×□=2021のとき。(ルート2021)
残念ながら、□は整数ではありません。(45×45=2025)
でも、今年の受験生は、43×47=2021であることを、教わっているはずです。
そこで、□が43~47のあたりを調べていくと、□=45が求まります。
おそらく、出題者は、2021=43×47の式を見て、2021が平方数に近い、と感じ、ここに作問の着想を得たと思われます。
高校数学の素養がないと、なかなか厳しいでしょう。
(3)初めのうち、☆が1大きくなると、□は急激に小さくなります。
よって、☆と□は1対1対応。
でも、☆が45になると、☆が1大きくなっても、□は1より小さい数しか小さくなりません。(2)の結論です。
以後、□は、43以下の整数のすべての値をとります。
よって、45+43=88個(答え)
大問5「ルール指定・長文」
非常に長く複雑な「説明書1」のルールを何とか読み、意味を取ったと思ったら、突然「以下、説明書2にしたがいます」と、ルール変更。
厳しい出題です。
説明書2では、「左」の動きが説明なく追加されています。
「左」のときはテープを左へ移動すると考えないと、問題が解けないので、そのように解釈します。
いくつか試していくと、大きく見て、次の現象が起きていることがわかります。
モードの流れは、大きく
に分かれます。
上回りでは、abの順に、aとbを1個ずつ□に変え、モード1(スタート)に戻ります。
下回りでは、baの順に、bとaを1個ずつ□に変え、モード1(スタート)に戻ります。
これを何度かくり返します。
くり返した後、S以外のすべてが□になっていればOKです。
ところが、「abどちらか1種類だけ」が残っていると、次の循環で、上回り、下回りの軌道から外れて、NGに落っこちます。
abは常に1個ずつペアで掃除していき、この方法で、掃除し尽さないといけません。
どちらかの個数が多いと、掃除されず残ってしまいます。
よって、aとbの個数が同じ(0個ずつも含む)で、残りが□のとき、モードOKにたどり着きます。
本年度のように、難易度が突然変わると、時間配分などの事前のシミュレーションが全く役に立たなくなり、大混乱が生じます。
番狂わせも起きたかもしれません。
それでも、絶対受かりそうな人は、やはり受かった、という面もあるでしょう。
どのように対処すればよいか、レッツ算数教室では、当ホームページ内
「出題傾向の突然の変化に備えて」(タップ・クリックできます)
で、くわしくご説明しております。
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