目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)出題分野
「平面図形」「平均算」「仕事算」「速さ・進行グラフ」「数の性質」から出題されています。
計算問題や、小問群などはなく、大きな応用問題をじっくり考えるタイプの構成になっています。
(2)難易度
本年度は、かなり易し目でした。社会状況に配慮した結果と思われます。
それでも、大問4、大問5は、それなりに頭を使う問題ではありました。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | B |
大問2 | ||
(1) | 平均算 | B |
(2) | 平均算 | C |
大問3 | ||
(1) | 仕事算 | B |
(2) | 仕事算 | C |
大問4 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | B |
(2) | 速さ・進行グラフ | D |
(3) | 速さ・進行グラフ | D |
大問5 | ||
(1) | 数の性質 | D |
(2) | 数の性質 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「平面図形」
図1、図2とも、斜線部分の面積を求めることは、できません。
でも、(1)では、面積の「差」がわかればよいので、共通部分をつけ加えた上で、差を求めます。
(2)では、三角形ADEの面積がわかれば良いので、共通部分をつけ加えて、ACDの面積を求めます。
ここでは、「つけ加えて考える」という、算数の発想法が使われています。
大問2「平均算」
(1)
2回目のテスト結果を、先に利用します。
16人が56点、24人が71点なので、この平均は65点。
よって、基準点も65点。(答)
(2)
1回目のテストは、クラス平均点が65ー10=55点。
男子の人数:女子の人数=60-55:55-52=5:3
40÷(5+3)×5=25人(答)
大問3「仕事算」
全仕事量を24と42の最小公倍数168とします。
(1)
A+B+C=7、A+B=4
よって、C=3。168÷3=56分(答)
(2)
A×36+C×26=168(C=3)
よって、A=2.5
168÷2.5=67.2分(答)
大問4「速さ・進行グラフ」
(1)500÷10=50m/分(答)
(2)A君→70m/分、父→90m/分
さて、進行グラフの水平部分では、A君が立ち止まっているわけですが、水平部分が6分間と考えると、つじつまが合いません。
なぜならば、A君が忘れ物に気がついたのは7:40。家に戻り始めたのは7:46ですが、お父さんがA君を追いかけ始めたのは7:44だからです。
よって、グラフが右下がりになったのは、7:44で、さらに急な右下がりになったのが7:46です。
(500-90×2)÷(70+90)=2分
7:46+0:02=7:48(答)
(3)その後、A君の速さは60m/分
500-70×2+60×12=1080m(答)
大問5「数の性質」
(1)
偶数円は2+2+……で作ることができます。
1を除く奇数円は3+2+2+……で作ることができます。
(2)
1 | 2 | ③ |
4 | ⑤ | ⑥ |
7 | ⑧ | ⑨ |
⑩ | ⑪ | ⑫ |
⑬ | ⑭ | ⑮ |
以上より、1、2、4、7円(答)
5円、10円のように、一度5円切手で作ることができれば、その下に続く金額は、すべて3円ずつ大きくなるので、3円切手を追加することによって、作ることができます。
本年度は、かなり易しい問題でしたが、これは、特殊な社会状況に配慮した結果と思われます。
その分、受験者平均点、合格者平均点とも、かなり高かったようです。
計算問題や、小問群は出題しないという方針は、維持されていますから、今後は、以前の傾向に戻ることが予想されます。
大問1では、「つけ加えて考える」という、「算数の発想法」が用いられています。
レッツ算数教室では、当ホームページ内
の中で、算数の発想法について、さらにくわしくご説明しています。
大問4では、進行グラフの読み取りが問題です。
ついつい先入観から、グラフが下がり始めた時刻を、A君が戻り始めた時刻と考えがちですが、ここが合否の分かれ目だった可能性があります。
グラフだけ見るのではなく、本文の条件も、注意深く読み取ることが大切です。
大問4は、初めて勉強するときは難問ですが、定番問題となっています。
解法を知らなかった人は、しっかり復習しておきましょう。