目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
1、概要
(1)入試結果
渋幕2020年第1回・算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
学校公表の受験者平均点は、100点満点中、45.0点。合格者平均点は61.3点です。
(2)出題分野
「規則性」「数の性質」「水そうグラフ」「平面図形」「立体図形」から出題されています。
大問2「数の性質」は、場合分け能力も必要なので、「場合の数」が直接出題されたわけではありませんが、間接的に出題されています。
「平面図形」「立体図形」も、渋幕らしいオリジナル問題です。
(3)難易度
きわめつけの難問が出題されています。大問4「平面図形」(3)です。
ルート(平方根)の計算は、中学入試問題の範囲外ということで、(2)でルートを使わない解き方のヒントを出していますが、ルートを使った方が、圧倒的に有利です。
他にも、大問1「規則性」は、「継子立て」と言われる特殊算。
大問2「数の性質」は、「和分解」と言われる特殊算。
知っていれば、何とか解けますが、知らないと超難問です。
「和分解」については、難関校で流行しつつあり、徹底対策が急務です。
レッツ算数教室では、当ホームページ内「算数の成績を上げるには?」の中の「和分解の話」で、くわしい解説を行っています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEFの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 規則性(継子立て) | B |
(2) | 規則性(継子立て) | C |
(3) | 規則性(継子立て) | D |
大問2 | ||
(1) | 数の性質(和分解) | D |
(2) | 数の性質(和分解) | D |
(3) | 数の性質(和分解) | D |
(4) | 数の性質(和分解) | E |
大問3 | ||
(1) | 水そうグラフ | C |
(2) | 水そうグラフ・つるかめ | C |
大問4 | ||
(1) | 平面図形・面積 | E |
(2) | 平面図形・面積 | E |
(3) | 平面図形・面積 | F |
大問5 | ||
(1) | 立体図形 | C |
(2)① | 立体図形 | D |
(2)② | 立体図形 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~5)
大問1「規則性・継子立て」
1巡目は、奇数を箱に入れ、偶数を残します。
2巡目以降も、○で割ってあまりが□の数を「箱に入れる」「残す」と考えれば、(1)(2)は簡単です。
継子立てでは、残りの個数が2のべき数(本問では128個)になったとき、次の数字が最後に残る、という規則性があります。
(3)は、これを使います。
大問2「数の性質・和分解」
和分解のポイントは、1を除く奇数の約数です。
和分解の方法が、1を除く奇数の約数と、1対1対応しているからです。
くわしくは、先ほどご紹介した、当ホームページ内「和分解の話」で、説明しています。
大問3「水そうグラフ」
本年度第1回の中で、最も得点しやすい問題です。
ここは何としても得点しなければなりません。
グラフが初めて折れ曲がっているのは、水そうAに水を入れ始めたことを意味しています。
よって、この点は、「5分、6cm」です。
7.5分でグラフが折れ曲がっているのは、水そうBの深さがAに追いついたことを、意味しています。
よって、Bの水面は、は7.5分で7.5cm上がりました。
これで、水そうAの水面が上がる速度と、水そうBの水面が上がる速度がわかりました。
よって、すべてがわかります。
(2)はつるかめ算になります。
大問4「平面図形・面積」
(1)は、三角形ABCをCを中心に90度右回転すると、三角形CDEと高さが等しく、底辺の長さも等しい三角形になります。
(2)は、相似な三角形ACDとCBDの面積比が1:3なので、その対応する辺を一辺とする正方形の面積比も1:3になる、という仕組みです。
(3)でルートを使わずに計算するためのヒントとして、出題したものと考えられます。
ただし、ルートの計算方法を知っていれば、一瞬で解けます。
(3)は、超難問です。三角形ABCに関する比が、平行線の間の距離を媒介として、三角形DFHへ移り、三角形ABEとDCFの高さの比が求まる、という仕組みになっています。
出題者は、正答率がほとんど0%に近いことを想定していたと思われますが、三角形ABEとDCFを「相似である」と、見た目で判断しても(誤解です)、偶然答えが合ってしまいます。
出題者が驚くほど、高い正答率になったかもしれません。
大問5「立体図形」
三角すいP-ABCDと、立体Zが相似であること。
立体Yと立体Zが、同じ底面を持つ断頭三角柱であること。
この2点を見抜ければ、それほど難問ではありません。
1、大問1「継子立て」は、2007~8年頃、有名になり、塾でも解法分析が進んでいますが、大問2「和分解」は、十分普及しているとは言えません。
今後は、一部の超難関校だけでなく、多くの学校が、出題する可能性があります。
理論は難解ですが、解法自体はシンプルです。
おさえ校対策としても、しっかり準備しておきましょう。
2、渋幕の平面図形は特に難しいことで有名です。
無理しないのが基本です。
ただし、本年度の(3)のように、まぐれ当たりする可能性もゼロではないので、問題には、一応しっかり目を通しておくべきです。
3、本年度は、「場合分け」問題が、やや少なかった感がありますが、こちらも頻出分野なので、しっかり準備しておきましょう。
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