高輪中学の算数は、例年、ABCが、大問5問、算数午後が、大問4問で構成されています。
頻出分野は、「平面図形」「立体図形」「速さ」「規則性」「場合の数」「論理パズル」です。
ABCでは、平面図形のうち、円と多角形を組み合わせた問題が、よく出題されており、中には、超難問も出題されています。
算数午後では、「立体切断」がよく出題されており、こちらも、難易度は高いです。
一つ、注意すべきは、ルート(平方根)についてです。
中学受験算数では、ルートの計算は使えません。ですから、三平方の定理も使えず、三辺の長さの比が3:4:5の直角三角形も、問題文で条件として示されないかぎり、使えないのが原則です。
でも、高輪では、3:4:5を使わないと解けない問題が出題されています。(2016年算数午後大問3)
他にも、ルートを使えば普通に解けるけれども、使わずに工夫して解くのは、小学生にとっては神ワザ、という問題が、出題されています。
「速さ」の問題も、よく出題されています。中学受験・算数で典型的な「速さと比」のほかにも、「点の移動」と「立体切断」を組み合わせた問題など、難易度の高い問題が出題されています。
最近では、「規則性」の問題もよく出題されています。規則性のうち、「等差数列」「周期算」が頻出です。
こちらは、論理的、発想的に難しい問題のほか、かなり手間のかかる煩問が出題されています。
難問の配置場所については、特に決まっていません。
算数午後では、大問3、4が難しい傾向にありますが、ABCでは、大問2から、難問が出題されます。
以上をまとめると、図形問題を中心にかなり難しい問題が出題されています。
それにもかかわらず、学校公表の合格者平均点は、それほど低くありません。
算数の得意な受験生が集まっている学校です。
一般的な対策としては、図形問題で極端に難しいものを、上手にスルーするということになります。
たとえば、どのような場合にルートの計算が必要になるか?すなわち、小学生には、計算できないか?
算数が得意な子は、経験的に気づいています。
そのような問題が出題されたなら、後回しにするというのが、一般的です。
でも、とりわけ算数午後の受験生は、算数に十分な勉強時間を取る余裕があるはずです。
ルートの計算方法を勉強するというのは、記述問題ではアウトなので、必ずしもおすすめできませんが、「ルートの計算を回避する工夫」について、十分に準備しておくべきです。
また、近年よく出題されている「規則性」の問題は、オーソドックスな問題なので、過去問でよく練習しておきましょう。
他校の過去問も、参考になります。たとえば、2018年A大問4は、筑波大駒場の過去問の類似問題です。